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正社員に応募する人に読んでほしい記事一覧

工房マスターから応募の皆さんへ

工房マスターから応募の皆さんへ

株式会社りぞーとあんどくらふと武山と申します。採用情報を掲載するにあたり、まず、最初に言っておきたい事は、当社では、「キラキラしたコトバ」で「クール」に「仕事」を語る事をしません。等身大の現場の姿を晒し、メリットとデメリットを提示します。「仕組みを知らない人から搾取しない」「表面的なかっこよさよりも誠実さ」「誰が言ったかよりも何を言ったか」「言葉よりも行動」「広くよりも深く」物事の本質を探り当てられる方に応募していただきたいと考えてます。

 

 

当工房では、「クラフト・美術の技能」を持つ人が活躍できる職場を少しでも増やして熟成させたいと考えてます。なぜなら、美大や工芸訓練校を卒業しても8割の人は美術とは関係のない職業に就きます。せっかく学んで身に着けたスキルを活かせる現場が少ない上に、給料相場が低いという現実に突き当たるからです。しかしそれを乗り越えて、職業として美術や工芸を生業にする場合、さらに2つの壁が立ちはだかります。

 

1 実際のところ美大や工芸訓練校を卒業してもプロの職人から見たら「素人同然」と言う事。ましてや週1回や2回のお教室に10年通ったところでそれこそ「素人」の域を出ないという事。美大や訓練校を出てれば大層な物は作れます。素人でも根気と時間さえあれば大層な物は作れます。しかしプロはその大層なものを短時間で作り上げます。素人と職人を分かつのは「スピード」です。

 

例えば、陶芸作品の高台加工作業一つとっても、多少かじった人が6分~15分かかるところをマスタークラスの職人は1~2分でやります。5分台までは見習い。4分切れば半人前。3分前後で一人前。(3分切れるか切れないかは当工房の正社員採用の目安でもあります)(当工房の高台加工作業は、プロの挽いた削り易い物ではなく素人さんが楽しんで作った土のたっぷりついたものです)その職人ですら手取りで13万円~16万円が美術工芸業界の相場です。(当工房の給料はその相場よりはるかに上ですが。)

 

 

 

2 その壁(己の技能の未熟さ)を打破する努力を怠り諦めると言う事。もともと資質のある人は、業務時間中の実務指導を得ただけで多少の自習でスラスラとスキルがアップしラクラク仕事に励め給料もガンガン上がります。「こんな楽な仕事他に無いね~アハハ~」って感じですね。(私もそのタイプです)しかしそう言う人は多くなくて、実際のところは、己の技能の未熟さにすら気が付かない人がほとんどです。美大を出てる、訓練校を出てる、作家だった、教室にうん十年通ってる。それだけの事にプライドを持てる環境に今まで居たと言う事です。職業人として工房で働くと言う事は評価比較の対象がプロレベルになります。次なる世界の新たな扉を開くための相応の自習努力をしなければとてもじゃないけど職業人として一人前の給料を得るに至りません。

 

 

「働きながら学べる」の意味をはき違えてる人は多いです。当工房は、これまで学んで身に着けた技術を活かせる職場であって「学校でもなければお教室でもありません」学校も教室も貴方がお金を払いサービスとして教えてもらえる立場です。しかし、当工房は、「貴方が今まで得た技能を使い働き」その対価として給料を得る所です。業務時間中にすべてを学べるなんて考えてる人は応募しないほうが得策です。そして、自習する人は支え応援しバックアップします。元々美術工芸に関心があり、自作品を作るのが好きで、技能を追求するのを怠らないで職業人として一人前を目指す人達の受け皿になれたら良いなと考えてます。