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「作るの大好きです」とはいうものの

「作るの大好きです」とはいうものの
皆さんの応募の際に「当然だろう」と特段聴きもしない事があるのですが、貴方は、「作るのが好き」と自分のことを思っていますね? しかし長い事現場に身を置いてると、それまで当然と思ってた事が、「意外と当然ではない」事に気が付きます。つまり、物事には、「度合」と言う物があるのだと気が付きます。
例えば、貴方が新卒の22歳だとします。そうすると貴方はこれまでどんなに長くとも「22年以上」好きな事を続けたことがありません。そして20代ともなれば、まだまだ学生のノリの延長線上で、お友達とウエーイしたいお年頃だったりもしますね。旅行にも行きたいしお洒落もしてみたい。流行の動画も見たいし、カフェやバーでシャレオツを決め込みたいお年頃です。え?そんな風に思わない?いえいえ、学業本文の学生から社会人になるにつれて時間もお金にも余裕ができてくるとムクムクと湧いてくる感情もあるのです。給料を派手に使ってみたい。当然だと思います。しかし、私たちが見てきた事実を申し上げれば、そう言った諸々の遊びと「作る」を天秤にかけてなお、「作る」事を選択しない人は、この美術工芸の現場で落ちこぼれてしまいます。
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貴方より才能ある人が貴方より熱心に技能を伸ばし、貴方よりも「作る」事に身を捧げる。2~3年もたてば技能に驚くほどの差が生じます。当然ですよね? 貴方が伸ばしてると思ってる技能以上に伸ばしてる人達がいる事を想像できませんか?30代になる頃には取り返しがつかないほどの差が生じてしまうんです。そして、ベテランともなると、貴方の人生以上の長い期間を「作る事」に捧げてます。もちろん年数だけが問題なのではなくその「密度」こそが重要です。
そして想像してみてください。貴方が美術工芸の現場に身を置く限り、体調の良い日、気分のすぐれない日、友達に愚痴りたい日、何となく心がさみしい日、皆がウェーイしている日、周りに切磋琢磨できる仲間が居ようとも、居なくとも、どんな日でも「作る」事になります。仕事でクタクタになりつつ嫌になるほど作り、仕事を終えた後にも浴びるほど作る。そう言った1年を淡々と、10年を、30年を、延々と「作る事が好き」でそれこそが自然な心の状態な人たちがこの世の中には存在します。
その日の心の状態や気まぐれに任せて作れるのは幻想です。一部の特別な人達にのみ許された特権です。経済力をつけて趣味で嗜むべきです。そして、むしろ「貧乏は友」です。「作る」が最大の娯楽たり得るからです。仕事で淡々と「作り」、仕事以外でも浴びるほど「作る」それでもなお「作る」のに飽きない人。そう言う「変人レベル」で「作るのが好き」な人に道が開けるのが「美術工芸業界」です。