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ほけきょ庵の焼き物アレコレ
陶芸体験その後
陶芸体験を楽しんだら、作品がお手元に届くのをお待ち頂くことになります。
陶芸体験工房で遊ばれた方はご存知かもしれませんが
だいたい何処の工房・教室も1ヵ月半くらいで届くのが普通です。
ほけきょ庵の陶芸体験作品はその約2倍の時間。
2ヶ月から3ヶ月かけてお届けするのですが。
それには秘密があります。
■サヤとよばれる容器の中で、貝にのせ炭で燻しながら焼く白浜焼きは、18時間かけて
1250度まで温度を上げて1時間キープし1時間くらいで900度まで一気に温度を落とします。
大体どこの体験工房も釉薬(色)を複数の中から選べるシステムを採用してると思いますが。
焼き上げてる時に違う釉薬同士を一緒に窯詰めしてる所がほとんどだと思います。
ほけきょ庵は、これをしません。
釉薬・焼き物には一つ一つ特徴があり、その特徴を引き出すためには
その釉薬に合った条件で焼成する必要があるからです。
例えば、
「32時間かけて1160度まで温度を上げて3時間キープし600度まで1時間に30度ずつ温度を下げる」
「18時間かけて1260度まで温度を上げて1時間キープし900度まで10分くらいで一気に温度を下げる」
「18時間かけて1230度まで温度を上げて1時間キープし30分かけて100度落とし3時間キープ」ですとか。
本当の本当にその釉薬・焼き物の特性を引き出すためには
それぞれ個別の焼成が望まれるのです。
これを無視して焼くことも可能ですが
それではいわゆる「本物」の焼き上がり・発色・風合いは得られません。
ですのでほけきょ庵ではこれをしません。
■黄瀬戸焼きは16時間かけて1160度まで温度を上げて2時間キープし
900度まで1時間に100度ずつ温度を下げます
焼き物はそれぞれ似ているようでぜんぜん違います。
料理に例えますと、さまざまな焼き上がりを一緒くたに焼くのは、
6ミリのパスタと10ミリのパスタ、うどんやそばを一緒の鍋でゆでて
それぞれの中庸を探り当てる。ような物なのです。
うどんにしては柔らか過ぎるしパスタにしては固い。
食べれない事は無いけど・・・。
「焼き物」と言うぐらいですから「焼く」ことに手間を惜しまず焼成を行わないと、
見る人が見たら「えっ?本当にそれでいいの?」と言いたくなる様な物を
お客様にお出ししてしまう事にもなりかねません。
まだまだ秘密があります。
一つ例を挙げてみますと黒船焼きの焼成。
この焼き物は釉薬をかけずに1度本焼きを行い収縮が発生しなくなるまで造形を固めてから
今度はサヤと呼ばれる箱に備長炭と共にいれ焼き上げます。
つまり、本焼きの工程を2度行います。
2倍の焼成コストプラス「キロ単価300円超」の国内最高峰の炭に埋めて焼き上げてます。
このように、ほけきょ庵の焼き物は、
伊豆白浜焼き・大室焼き・わざび焼き、はんなり焼きと、それぞれの焼き物が
それぞれのノウハウと焼成方法を持って焼き上げているのです。
ですので、独自の焼き上がりと風合いが得られます。
その様な焼き上がりを支持して下さる体験者の皆さんの為にも
このこだわりは今後も捨てません。
むしろ更なる焼き上がり・風合いを求め、研究・開発を続けることをお約束します。
こうして、様々なノウハウと工程を経て焼き上げた作品が皆様のお手元に届くのに、
約2ヶ月から3ヶ月のお時間をいただいております。
独自独歩の焼成ノウハウ。
他所では得られない風合い。
上では「秘密」と申しましたが、むしろ
「当たり前のことを当たり前に行っているだけ」とも言えますね。
たった一つ揺るがない価値観を持った物。
「私が作った物」「家族が作った物」「愛するあの人が作った物」。
ほけきょ庵は、その「確かな物」を作るお手伝いをします。
本物をお求めの貴方に真心をこめて。