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スタッフの作品

伊豆半島各地にも広がりを見せる「巨大風車」がモチーフの作品

・作品名ブリアレオ"フシャエル=コンスエグラ 材料 石膏粘土 針金

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下田で開催の「一発入魂展」と伊豆高原の「クラフトの森フェスティバル」に向けて、石膏粘土で立体物を製作しました。

今回のテーマとしたのは伊豆半島の各地に広がりを見せる「巨大風車」です。
東伊豆・南伊豆と、伊豆半島をドライブしてると唐突に表れる巨大風車を目にした方もいらっしゃるかと思いますが。一部地元では歓迎されない存在でもあり、またその一部は観光地化し地元住民とのギャップが産まれてます。

私の妻の父とその家族はこの巨大風車の反対運動をしておりまして。
反対をアピールする為に南伊豆町長選に出馬したりもしてます。

私は風車がインフラとして存在する事そのものや、そのための技術力やインフラ整備にまつわるリベートや政治家の人気取りは否定しないし、むしろそんな事はどこにでもいくらでもあるし「リベート=資本主義社会の潤滑油」とすら考えてます。

原子力にしろ米軍の基地にしろ誰かがどこかで犠牲を払わねば成立しないと言う事の痛みも理解してるつもりです。その為に私の友人やその家族が犠牲になってるケースも存在します。低周波や風車の羽が折れるといった被害も出てきてます。

そう言ったこともあり、風車にまつわる利権や利害に群がる魑魅魍魎を表現したくおどろおどろしい造形で風車のクリーチャーを製作してます。

・伊豆の巨大風車群
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製作に際して心の隅に置いてたのは、
子供のころ伊豆に来て初めて見て驚き背筋が凍る思いをした
「30cm超え級の巨大なムカデ」「大人の掌よりも大きい家蜘蛛」などの
意を外した「巨大さ」の醸し出す「凶悪な存在感」と、

妻の父の好きな「蓮」「伊豆の巨大風車の節々しいデザイン」です。

しかしこの風車のクリーチャーを「気品がある」「美しい」と言う感性で受け取った方も数名いました。「醜さの中にも美しさがある」これは常に抱えてるテーマであり今回もそれは貫いてます。

気品に関しては「バレエのポーズ:アン・ナバン」の優美さを意識して製作してます。

巨大風車にまつわる諸問題は、風車そのものではなく。風車を運用する「人」の問題であり。その中でも私がフォーカスしたい箇所は「風車の巨大」さです。

123.5メートルと言うその大きさを知った時、「あ~イデオンより大きいのか~」と感嘆と驚きと、あまりの大きさに脱力しました。

美術力の無い者のデザインと技術力と資本が合体するとこの様な無残な物体が出現するのだなと、正直この風車をデザインした者の感性と力量を疑います。(大きさもデザインです)

逆を言えば、この巨大な風車を建設できる技術力と資金力を活かせば。
小さくデザインし、数で補う事も可能なのではないかと考えるのです。

風車に罪はありません。場所と存在のあり方さえ間違わなければそれはむしろ「美しい」とされ、人々の集う憩いの場へと昇華できるでしょう。科学技術力とデザイン力(見た目だけの問題だけでなく)の上手な結合こそが、この手の問題を解決に導く方法なのではと考えさせられます

・スペインはブリアレオの風車

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上の写真はドンキホーテが巨人と間違えて突撃したスペインのコンスエグラの風車郡です。このくらいの大きさと容姿の物にデザインを学び、技術力を活かすべきではないでしょうか。

思うところをツラツラと述べ、製作に対する元ネタやモチーフを明かす事は作家業としては下の下とされますが、作る人の気持を伝える事のプラス面をと考えてます。

つまるところ、この作品は、「物作りを生業とする私」が発する伊豆の巨大風車問題に対する「代替案」です。

物作りをする者には、物作りをする者の流儀があり、それこそが最大の武器であると考えてます。カメラマンにはカメラ、新聞記者には紙と鉛筆、政治家には演説力と政策力。陶芸家には土と炎。

これからも何かを表明したければ「作品」で現し「製作に際する思いを綴る事」で想いを明かしますのでどうぞお付き合い下さい。