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「アーティストのうまれる条件」
・この作品は漆喰彫塑ですが当初は石膏で作ろうとしました。
2010年5月10日(月)
常々本物でありたい。美しく生きたい。
その結果本物の美しさを備えた表現を行えたら幸せだと私は考えてます。
では美しいとは何か。本物とは何かを考えた時に
単に製作物その物が持つ「リアリティ」のみの問題ではないと言う事に気がつくことになります。
約15万年に及ぶ人類の文化活動で革新的な事をやってのけた人、独自性を打ち出した人は、
歴史に残ってる人以外にもたくさん居るはずです。
ではなぜその数多のアーティスト達が歴史に残らなかったのか。
そもそも「歴史に残る」と言う事がどういうことなのかを考えてみます。
ここではひとまず、応用芸術の一ジャンル
「陶芸」に限定して実際に歴史に名が残ってるといえる人たちの
秘密に迫ってみることにします。
彼らの表現その物は、それぞれ歴史に名を残すくらいですかとても良く出来てます。
よく出来た表現の中にも残る物と残らない物があるその境界線をイメージした時に
単純だけど見落としてる物事として、「バックボーン」「人脈」を挙げてみることにします。
バックボーンを挙げてみると何となく見えてくる世の中の仕組み。
そもそもの「歴史」という物の実態・本質が見えて来ると思います。
アーティストを古い順に挙げてみます。
千利休・堺の豪商の息子、信長・秀吉の部下
古田織部・大名家の息子、秀吉の部下 千利休の弟子
小堀遠州・大名家の息子、家康の部下 古田織部の弟子
本阿弥光悦・刀剣の鑑定研磨の本阿弥家の息子、刀伽家業ゆえ武家(権力機構)との強いつながり
川喜多 半泥子・15代続く伊勢の豪商の家に生まれる、政財界とつながり
北大路魯山人・勅祭社の息子、政財界とつながり
ルーシーリー・ユダヤの名門資産家の娘、政財界とつながり
以上のことから、 歴史的であるということは「革新的」であると同時に
「事を成す為の援助や財力とそれを認知・評価してくれる人脈と強い連携がある」
と「歴史が証明してる」といえると思います。
結局なぜなら、歴史の教科書に残る位の「物事」と言うのは、
時の権力が奨励した「宗教」や「文化・教養」である必要があるからです。
武家政治に利用された「茶の湯」とそれにまつわる道具としての焼き物。
政治家資産家が集まる経世の美食倶楽部で使われた道具としての焼き物。
時の権力に逆らうような文化や宗教は弾圧を受けて消え去るのみですし。
権力と無関係な物は無視されるか「その事実があった」事すら問題にされない。
これが歴史の真理・実態でしょう。
今後歴史に名を残しそうな陶芸家を挙げてみろといわれたら
ロクロの達人、焼成の魔術師、モダン陶芸の帝王、テストピースの貴公子などでは無く、
陶芸家・細川護熙・前総理大臣、である。とか言っておくのが筋なのです。
上に挙げた人の中には「模倣」で名を上げてる人もいますから。
歴史に残るには必ずしも革新的である必要はないと言えるとは思いますが。
しかしやはり人脈だけでは歴史に残るのも無理でしょう。
なぜなら、今まで人脈があって陶芸も出来た人も、これまた大勢いたはずだからです。
この辺りが「歴史」といわれる物の「実態」だと推察したのならば
導き出される結論として「本物の美しさを備えた表現」が
「事を成す為の援助や財力とそれを認知・評価してくれる権勢」と繋がった時に
比類なき「アーティストが産まれる」と言えるのではないでしょうか。
ミケランジェロ・ブオナローティと・メディチ家とローマ教皇ユリウス2世
貴族の息子だったダンテ・アリギエーリ
では、彼らのみが「アーティスト」なのでしょうか。
答えは「是」なのか「否」なのか探ってみることにします。